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メコン川はタイとラオスの間に流れています

メコン流域開発計画では、中国、インド、それに他のインドシナ諸国との貿易が増大する過程で必要になる、交通網の整備がポイントです。

世界地図を眺めると、タイから陸路でラオスかミャンマーを通って中国の雲南省に通じ、ミャンマーを通り抜ければインド東部に通じるように見えます。

ただ実際には、まだこれらのルートは大規模な物流に耐えるものになっていないのです。

タイ国内の道路の整備状況は近隣諸国とは比べ物にならないほど良好ですが、ラオスの山岳地帯は未舗装道路が多いのが現状です。

それにタイとラオスの間に流れるメコン川には橋が2本しか架かっていません。

ミャンマーに至ってはさらにひどい状況で、おそらく東南アジアで最も道路事情が悪い国です。

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また、ミャンマーでは政府の実行支配が及ばない地方が多いため、近隣諸国との陸路貿易も皆無に近い状況です。

鉄道については、ラオスには全くなく、ミャンマーにはあるものの整備状況が劣悪でタイとは繋がっていません。

現状、インドとの貿易はほぼ海路に頼っていますが、中国とはメコン川での貨物船による輸送が行われています。

これも乾季になると水深が浅くなるため、大型船が就航できないという問題があります。

要するに、タイは地図の上では隣国と接してはいるものの、それらの国のインフラがネックになって、南方のマレーシアを除き国境貿易に限界があるわけです。

そこで、アジア開発銀行の支援を受けたメコン流域開発計画が進められており、道路、鉄道、水運だけでなく、通信や貿易を活発にさせる施策が実施されています。

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タイ北部のチェンライから中国雲南省の昆明に至る南北経済回廊では道路建設が進行中で、ラオス経由のルートは架橋も含めて数年以内には完成するものと見られます。

同じ回廊のミャンマー経由のルートは、同国の政治情勢から先行きを予測するのは困難な状況です。

これとは別に、タイからラオスを経由してベトナムに向かい、さらに中国へと繋がる東西経済回廊でも道路が建設されており、順調に工事が進捗しているようです。

また、ラオスの首都ビエンチャンに向けての対岸のタイ・ノンカイから鉄道の延伸工事が進んでいます。

こうしたインフラ整備により、タイと中国南部、さらにはラオス、カンボジア、ベトナムの間では、貿易量の増大が多いに期待されます

例えば、タイに生産拠点を置く日系の電機メーカーがベトナムから部品を調達したり、製品を中国に輸出したりといった交流が現状より短時間かつ確実に行われるようになるでしょう。

ところが、インドとの間には事実上の鎖国状態にあるミャンマーが間に横たわっており、同国の政情が大幅に改善されない限り、陸路貿易が実現しそうにありません。

仮にミャンマー政府が対外開放政策を採ったとしても、インドとの間には通行可能な道路すらないことからして、10年後になっても陸路貿易が活発に行われるとは考えられません。

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この現状を打破するために、タイの西側沿岸部で大規模な港湾開発が進められています。

つまり、道路による接続よりも早く海運を整備し、大規模な物流に耐えられるようなインフラ整備を進めているのです。

インフラの面からみると、中国やインドシナ3国との貿易関係は持続的に拡大することが見込まれます。

これと連動して、道路工事に関連した経済波及効果がタイに及ぶものと見られます。

ただ、対インド陸路インフラについては近い将来の実現は期待できません。

これ以外にも、首都バンコクの都市開発を中心とした全国的な大規模インフラ開発の予定があります。

バンコクは、道路渋滞に関して、世界でもっともひどい部類に入る都市です。

600万人を突破する人口があり、経済成長が続いていたにも関わらず、長らくバス以外の公共交通手段がありませんでした。

ようやく高架鉄道BTSが開通し、地下鉄も開通しましたが、それでも総延長距離は50キロメートル足らずで、道路渋滞の抜本的解決にはほど遠い状態にあります。

 

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