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アジア通貨危機とドル円相場の動き

1997年のアジア通貨危機から連鎖して起こった1998年のロシア財政危機により、ルーブルは一時壊滅的な打撃を受けましたが、困難を乗り越えて再生しました。

最近のドル円相場を見ると、信用を失うドルと信用を回復する円と早合点する方がいるかもしれませんが、円が高くなっているのではなく、ドルが円以上に安くなっているのです。

日本とアメリカ経済は関係が深すぎるため、日本の主要メディアは円高ばかりを報じていますが、その影で日本円は他の通貨に対してどんどん切り下がっています。

この現状は、ロシアに限らず海外への投資をお考えの方なら、強く認識しておく必要があります。

だから繰り返しますが、円高はドルに対してのいで、他の主要通貨に対しては、どんどん価値が目減りしているのです。

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ロシア株に限らず、今後有望な新興国に投資する際、円が強いうちに早めに海外に資産移転を試みるべきです。

すでに1000兆円超にのぼる借金をこれ以上増やしたくない日本政府は、金利を引き上げることには消極的です。

金利が低い通貨は外国人投資家から買われにくく、その通貨は弱くなります。

それに加えて少子高齢化が進み、規制緩和の流れも停滞するとなれば、海外資金は離れていきます。

個人投資家としてロシア市場をどのようにイメージしたらよいでしょうか。

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私自身は、ウォーレンバフェットが2003年に中国のペトロチャイナの株を密かに購入したときに中国株のイメージがだぶります。

実際のところ定かではありませんが、証券アナリストの推計によると、バフェットは2003年4月にバークシャー・ハサウェイを通じてペトロチャイナH株を1株22セントで取得し、2007年に1.56ドルで全保有株を売却したと見られています。

保有していた株式の価値は当時の株価で4560億円、計算では600%のリターンです。

この経緯は正式に公表されていませんが、ほぼ事実と考えて差し支えないでしょう。

2003年当時、日本での中国株取引はようやく始まったばかりで、日本株自体が上昇トレンドだったこともあり、中国株はキワモノ扱いされていました。

興味を示したのは先見の明をもった数少ない個人投資家のみ。

当時言われたのは、財務諸表があてにならない、会計制度が信頼できない、流動性に懸念がある、一種のバブルで過熱気味などなど、ありとあらゆるリスクが取りざたされていました。

その後、中国株の初期に大きなリターンを手にした投資家が何人もメディアに登場し、2005年以降は中国株ブームになりました。

さらに日本の銀行、証券会社も資産家からの圧力でその重い腰を上げざるを得ず、中国株に投資する投資信託が多数設定されることになりました。

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もっとも、ブームになった頃にはその本当の妙味が失われているのは、どこの世界も同じですが・・・。

仮にみなさんが現在のロシア株のリスクを勘案した上で、投資を決断したとします。

ならば実は、それで投資の準備の90%は終了したといっても過言ではありません。

なぜなら現在のロシア株は、財務諸表や株式指標などの細かな比較検討を行う定量分析はあまり現実的ではなく、定性分析での投資が適しているからです。

定量分析と定性分析の違いは、前者が数値で計測可能なデータをもとに比較検討するのに対し、後者は経済環境や企業のビジネスモデルなど数値化されにくい、主観性のある材料による分析を指します。

私が新興国への投資で試みているのは、ほとんどが定性分析に該当します。

定量分析は情報開示が一般化しその内容も正確な成熟市場においてこそ有効な方法なので、現在のロシアではあまり意味をなしません。

 

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