*

上場ゴールのIPO株は暴落するだけ

IPO株がどれだけの資金を調達できるかが決まるのが、公募価格です。

上場日に初値がついた時点で、第一段階としての企業価値の評価を受けることになります。

しかし、この初値というものは幻想価格といっても過言ではありません。

多くのケースで本来の実力が正当に測られることはなく、ベストシナリオとしての将来性が先行して価格が形成されるからです。

毎度お決まりのパターンとなっている無謀な評価は問題といえます。

スクリーンショット 2016-05-21 15.29.28

世界の株式市場における平均的なPERが20倍以下なのにも関わらず、初値価格が公募価格を上回ってPERが50倍を超えることも珍しくありません。

上場後、とんでもない利益成長が実現されない限り、株価水準は暴落することになります。

経常利益が減少したり、赤字転落となれば株価パフォーマンスは初値の10分の1以下にもなります。

最初についた株価が高ければ高いほど得をするのはIPO企業、株主、公募に当選したラッキーな投資家だけです。

新規公開株への投機において目論見書の精読は必須です。

スクリーンショット 2016-05-21 15.30.08

過去の業績の推移は健全だったか、経営陣の経歴はまともかなどを知る必要があります。

さらに目論見書の株主名簿をチェックしましょう。

ベンチャーキャピタルやファンドが大株主として記載されている場合は要注意です。

経営者の裁量権が小さくなり、まともな経営ができなくなっているうえに、ベンチャーキャピタル主導で上場しているケースが多いからです。

彼らの目的はIPOによって保有株式を売却して、投下資本の回収を行うことです。

なぜ上場したのかという理由がハッキリしない企業が多いようです。

一番多いケースが上場することで創業者利益を確定させることで、上場がゴールになっていることです。

そういう銘柄は上場後は凋落するだけです。

パブリック企業になるということは、IR活動で社会的な説明責任を果たすことです。

経営トップが決算説明会や投資家説明会、機関投資家の取材において積極的に受け答えをしなければならないのに、市場との対話をしたくないという会社は多いです。

上場した当初は売買高が多いため、保有株の売却が簡単にできますが、時価総額が50億円未満の場合は2ヶ月以上経過すると途端に売買高が細って流動性がなくなります。

スクリーンショット 2016-05-21 15.30.49

手持ちの株を自分の希望する値段で売れなくなるリスクが高まるので、あまりにも時価総額の小さい銘柄は投資対象から外しましょう。

成長株とは、景気敏感株の対極に位置している銘柄群のことで、小売りやサービス業、IT関連株に多く存在します。

景気敏感株(鉄鋼、半導体、自動車、化学、紙パルプなど)が景気の動向によって業績が変動しますが、成長株は景況感に左右されずに時間の経過とともに業績が拡大します。

ボトムアップリサーチ(企業取材で投資対象を選別する方法)をメインとする中小型株投信のファンドに組み入れられている銘柄はこれらです。

長期でバイアンドホールドできる株ならば、5年から10年単位の保有も可能ですが、ほとんどのケースでその間に成長株のポジションから脱落します。

これまで私が25年にわたって調査してきた限り、業績的にも株価的にも3年間右肩上がりになれば良い方で、ほとんどの銘柄が3年以内に脱落していきます。

したがって、3年間というのが一つの節目であることを意識しておく必要があります。

長期投資でずっとほったらかしだと、せっかく大儲けできていた時期を逃してしまう可能性が高いのです。

 

関連記事

no image

EPSとBPSを使った理論株価の計算方法

株価が上昇する条件として、増収率を増益率が上回る(営業利益率が改善する)ことが挙げられます。

記事を読む

no image

ライブドアショックの影響で大損した人

下落相場の大きな特徴の一つが、新興銘柄の暴落です。 大型株の下落スピードに対して2倍以上のスピ

記事を読む

no image

一番損切りの決断が難しいローソク足のパターン

株は買ったら売るのが原則です。 もちろんそのまま保有して子供へと相続させる人もいます。

記事を読む

no image

上場廃止になると持っている株はどうなるか

年初来高値をつけた株は上がりやすい特徴があります。 売り圧力が弱く、億単位の投機資金を持つプロ

記事を読む

no image

敵対的買収防衛策の導入と株主割当増資

株主と経営陣は利害関係が対立することがあります。 役員報酬の額や配当金の額ですが、安定株主が多

記事を読む

no image

業界によって異なるグロース株の指標

3年間の限界ゾーンを超えて成長する例外もあります。 それは、30年以上も急増し続けたコンビニの

記事を読む

no image

日経225先物取引の売買手数料は50円以下

日経225先物取引は日経平均株価を対象とした取引で、かつては大阪証券取引所の上場商品でした。

記事を読む

no image

ガンホーの株価は1年3ヶ月で100倍になりました

誰か別の人が買ってくれるだろうと考えられている資産ーーつまり、チューリップの球根や金や銀といった商品

記事を読む

no image

高配当利回り株のランキング

要するにデイトレーダーは短期の動きだけを追いかけて、企業のファンダメンタルズに反映された株価水準のト

記事を読む

no image

株式分割すると株価にメリットがある

誰も本当の高値では売れないし、最安値では買えません。 狙って売買しても、高値で売ったつもりがそ

記事を読む

タイの銀行金利は4.75%で日本の約9倍もある

株式を売却した場合、売却代金は全て証券会社に開設した自分の口座に入金さ

タイの証券会社に口座を作る方法と海外送金

タイの企業には日本と同じように、株主割当増資やワラント債の無償提供など

タイに投資するメリットは税金がかからないこと

どこの株式市場でも取引のスピードアップと効率化を図るため、呼び値単位と

スクリーンショット 2016-08-29 6.45.56
タイ株の配当利回りは10%以上

バンコクでは、新たに地下鉄と通勤電車網を7路線277キロメートル敷設す

スクリーンショット 2016-08-28 4.12.47
メコン川はタイとラオスの間に流れています

メコン流域開発計画では、中国、インド、それに他のインドシナ諸国との貿易

スクリーンショット 2016-08-26 4.29.02
タイでクーデターが多い理由

タイという国が日本から地理的、心理的に近く、成長力が大きいことに異論が

スクリーンショット 2016-08-22 1.15.06
国際分散投資なら東南アジアの国がおすすめ

一体どの国に投資したらいいのか。 私が重要だと考えるのは、次のよ

no image
スベルバンクの不良債権比率は1%以下

ロシア国内が好景気ということもあり、人件費の増加やパイプライン建設など

no image
ロシアの天然ガスの埋蔵量は世界の38%

定量分析が可能になるころには、すでに多くの投資家が参入しているはずです

no image
アジア通貨危機とドル円相場の動き

1997年のアジア通貨危機から連鎖して起こった1998年のロシア財政危

no image
タックスヘイブンのキプロスに法人を設立する

2007年秋以降、アメリカのサブプライム問題を震源とした、世界的な株安

no image
ガスプロムが倒産や経営破綻することは絶対にない

長期にわたって成長が見込まれる国では、個別企業のファンダメンタルズやテ

no image
株式配当にはみなし配当課税が適用されます

ロシア市場の代表的指数としてよく用いられているのが、RTS指数です。

no image
ロシア株のRTS指数は上昇率が安定している

中長期の保有は、中期なら1〜3年、長期なら4年〜10年以上の保有のこと

no image
ベトナムの原油生産量は減少しています

ベトナムは原油の産出国で、ほとんどの油田は海洋油田です。 海洋油

→もっと見る

PAGE TOP ↑