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ダブルトップのネックラインを上抜くチャート

銘柄によっては株価トレンドに従わず曖昧な値動きをするチャートもよくあり、動きの法則から外れているものがあります。

そうした株に対しての対処法や取り組み方が説明されていないのです。

都合のいいローソク足の組み合わせだけを選別して、解説しているケースがあまりにも多いという印象です。

こうした書籍に記載されている法則を勉強して実践してしまうと、予想が外れて大失敗してしまいます。

全くわけのわからないうちに含み損を抱えることになります。

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こうした経験だけで株は怖いという印象を持って、株投資から引退してしまうのです。

ひどい本になると、企業が持つ事業の特性や、株価変動の理由については言及すらされていません。

例を挙げると、逆三尊型のパターンになったから買いの局面になり、ダブルトップのネックラインを割り込んだから売りのシグナルが出たというような解説ばかりです。

こういった説明は、過去に描かれた軌跡の後講釈にすぎません。

実際にはトリプルボトムを形成したあとにさらに下落したり、ダブルトップになったあとにネックラインを上抜いてさらに株価が上がるといったケースは数多くあります。

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チャートの形だけで判断するのではなく、そういった軌跡を描いた要因の分析をしなくてはならないのです。

証券会社のアナリストは、一般的に通算で数千回にも及ぶミーティングを行いますが、チャート分析で使われる投資手法を応用して株価予想を行うことはまずありません。

もしテクニカル分析が業績の分析を上回る効果があるのなら、機関投資家においてもファンダメンタルズ分析を放棄してファンド運用する人がいてもおかしくないのですが、そういう話は聞いたことがありません。

ランダム・ウォークとは証券用語で、株価はランダムに動くという意味です。

ランダム・ウォークする価格の推移を法則化することは難しいのです。

企業の業績は外部環境の変化に容易に影響を受けてしまいます。

為替、原材料価格、需要、景気動向などは変化します。

さらに、世界的に株式市場の連動性が高まっているので、海外株式の動向が市場の撹乱要因として常に影響を及ぼしています。

また、チャートがどのような形を描いていようとも、突然、業績の大幅な上方修正を発表すれば急上昇します。

そうなると、前日までの値動きというのは基本的に役立たなくなります。

反対に、下方修正を発表した株が1ヶ月で30%下落して、その後はもみ合いの展開となっていたとしましょう。

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下値への抵抗力がついて、そろそろ上昇基調に入ると予想しても、再度下方修正をすればさらに価格は下落して、法則から外れてしまいます。

結果論として、一連の株価の軌跡を取り出して、過去においてこうした法則が当てはまっていたと言うことは可能です。

しかし、過去のデータを将来の分析に単純に当てはめて予想するのは、業績の予測より難しい現実があります。

以下にもう一度ファンダメンタルズ面におけるチェック項目を記載します。

売り上げの月次数字は計画や前年度を下回っていないか。

財務体質が弱っていないか。

有利子負債依存度は悪化していないか。

事業継続疑義が付けられていないか。

監査法人が変更されていないか。

過大な負担となるM&Aが実施されている。

安易なMSCB(転換価格修正条項付き転換社債)の発行や過剰なファイナンスを実施する企業は、長期間、株価が低迷します。

株価グラフと業績の分析をコラボレーションさせて投資判断を行っても、完全ではありません。

PER、PBR、ROEの3つの投資指標を活用して、バリュエーションの考え方を導入しましょう。

 

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