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スベルバンクの不良債権比率は1%以下

ロシア国内が好景気ということもあり、人件費の増加やパイプライン建設などに使われる鉄鋼などの資源価格も上がっているのは間違いありません。

ただ、そのような状況下でも利益率は35%となっています。

主な事業である天然ガスの輸送だけでなく、電力事業の分野にも進出しています。

統一電力が分割民営化されたときは、ガスプロムもその株の一部を購入しています。

ガスの埋蔵地はインフラが整っていないことが多く、それらを自前で調達すれば長期的視点から見て、コストは低くなります。

現在、ロシアのガス価格は3種類に分かれています。

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一つは国民向け価格、二つ目は産業用価格、三つ目は新規企業向け価格です。

この新規企業向け価格は、産業用価格より30%ほど高い価格になっています。

ロシアの電力の約75%は天然ガスを使った火力発電ですが、電力会社はかなり安い価格で原材料のガスを同社から仕入れて、電気を販売しています。

ガスプロムは石油事業と電力事業を発展させることを会社の方針としています。

ガスと石油は同じところにあることが多く、採掘は今までも手がけてきました。

しかし生産量は年間100万トンレベルで、決して多くありませんでした。

石油事業を発展させるにはパイプラインとは違った設備投資が必要となり、かなりのコストがかかりますし、専門の技術も必要です。

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そこで同社は石油会社のシベニフティを買収しました。

石油は精製品ほど高く販売できるため、販売だけでなく精製できるような企業を買収して、総合エネルギー企業として発展する考えです。

政策変更については心配ないのですが、石油価格の変動は懸念材料です。

原油価格が変わると、だいたいその9か月後にガス価格に影響が出ます。

時間差はありますが、原油価格とガス価格は連動しています。

 

スベルバンクはロシア最大の銀行で、元は国営の貯金銀行です。

国内だけでなく、カザフスタンやウクライナにも支店を持っています。

会計基準は国際会計基準に準じており、時価総額は世界13位で不良債権比率はわずか1%。

国内では個人所得が伸びており、ローンなど銀行が扱うさまざまな金融商品の需要が大きくなることが予測されています。

実際にVISAなどと提携して発行している個人向けカードは2000万枚にもなります。

ロシア国民の預金高のうち53%がスベルバンクのシェアで、支店の数は2万を超えています。

規制緩和が行われていることもあり、企業が新規事業へ進出したり、新たに起業する人が増えています。

大企業による中小企業の買収、M&Aはすでに行われ始めていますが、そう大きくない会社同士の合併や再編も起き始めました。

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個人向けローンの歴史は浅いものの、すでに30%のシェアを持っています。

また、クレジットカード事業への進出も積極的で、VISAやMaster Cardと提携したカードが発行されています。

スベルバンクの不良債権比率はBIS、銀行の国際統一基準で1%以下となっています。

すなわち、貸し出しはほとんど焦げ付いていないのです。

銀行にとって貸したお金が戻ってこない、いわゆる信用リスクの管理は重要な問題です。

貸し出しが増えると、正常に取引が続けば銀行の利益は増加します。

ただし、競争が激化すると、日本で体験したバブルの二の舞の危険性をはらんでいるのは否定できません。

審査体制を作るという意味では、行員に対する教育も重要です。

また、ロシアのATMは約90%が引き出しに使われていますが、個人向けローンが伸びていけば、ATMの使用方法も変わってくるでしょう。

ATMの数を増やすには資金が必要ですが、機能向上のためのITシステムの導入ではさらなる投資が必要となり、収益を圧迫することも考えられます。

現在、貸し出し金利は高い水準にありますが、この水準は長く続かない可能性が指摘されています。

 

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